岩田由樹奈「若者が働く環境をもっと広げてほしい」

19歳・フリーター
岩田 由樹奈

高校1年生からアルバイトと学校生活を両立させ、高校卒業後はサロンモデルとして活躍中。また、夜は飲食店でのアルバイトもこなしている。将来の夢は美容系の職に就き、世界中の女性を美しくすること。趣味は音楽や舞台鑑賞。


Opinion#1 : 私の興味分野✕政治「若者が働く環境をもっと広げてほしい」
Opinion#2 : 若者の政治参加「SNSで発信する若者が増えた」


就職3年以内の離職率は、大卒者は31%、高卒者だと39%。
岩田さんが関心にある政治に関わる問題は何ですか?
前にテレビで見たのですが、若者の離職率の高さがすごく気になりました。私は今年の3月に高校を卒業して、今は働いてるんですけど、高卒生の離職率が特に高いのには驚きました。2010年に就職した若者のうち3年以内に仕事を辞めたのは、大卒で31%、高卒だと39%もいるそうです。
高校の友達も半分くらいは就職していて、実際に仕事を辞めた人、辞めたいと言っている人がいるので、すごく身近な問題に感じています。辞めたいけど、高卒だと面接で不利だったりしてなかなか次の良い仕事を見つけられないから簡単に辞められない人もいます。
どんなことが理由で仕事を辞めたいと言う人が多いと感じていますか?
やっぱり職場の環境が悪いことだと思います。実際、最近いわゆるブラック企業で有名になっている居酒屋で働いていた友達が2人いるのですが、辛すぎて辞めざるを得なかったみたいです。まだ何も教えてもらってない新人なのに怒鳴られたり、容姿で差別されたり、シフトを無理に変えられたり……とにかく酷かったみたいですね。高卒だと特になめられるというか、仕事をちゃんと任せてもらえないみたいです。
どんなに頑張っても、どんなに仕事ができても、能力ではなく年齢でしか見てもらえないことはある。
岩田さん自身もが高卒だと特に不利だと感じることはありますか?
やっぱり高卒だと18、19歳で未成年だからなのか、信頼してもらえないことがあります。どんなに頑張っても、どんなに仕事ができても、能力ではなく年齢でしか見てもらえないことはある。あと、どうせすぐ辞めるだろうと思われて、ちゃんとした仕事を任せてもらえないこともありますね。



政府が企業に常に目を見張り、一見平和そうな職場の裏で苦しんでいる若者を助けていくべき
では劣悪な労働環境で若者がやめていく現状はどう解決されるべきだと思いますか?
すでに政府もちゃんと動いているみたいですよね。最近、厚生労働省は離職率がすごく高い企業には立ち入り調査をして、勧告しているそうです。そういう活動をしてくれているのはすごく心強いし、安心できるので、もっと続けていってほしいですね。
でもやっぱり、メディアで取り上げられるような被害が出てから調査をするのでは遅いと思います。様々な企業に常に目を見張っていないと、一見平和そうな職場の裏で苦しんでいる若者を助けることはできないと思います。
「政府自体ももっと若者を雇用してほしい」
では、そのような若者の労働環境を良くするために、政府にどんなことをしてもらいたいですか?
政府自身ももっと若者を雇用してほしいですね。実際に高校を卒業して、公務員になった人は結構いるんです。警察とか役所とか。その人たちは、公務員は収入も安定していて働きやすそうなので、そういう高卒生を採用する枠をこれからもっと増やしていってもらえるとうれしいです。
でも、本当は、中退や高卒の若者が、公務員だけではなく、もっと色んな職業に就ける社会になればいいと思います。そのためには企業が採用基準を変えたり、政府が企業へ呼びかけたりしていく必要もありますよね。

私は大学に行きたくないとか行けないという理由で行かなかったわけじゃない
では最後に、今働いていて良かったと思うときはどんなときですか?
私は大学に行きたくないとか行けないという理由で行かなかったわけじゃないんです。確かに大学進学の道も考えたけれど、本当にやりたいことがまだわからない中で行っても遊んでしまうんじゃないかと思って。それで親に迷惑をかけるくらいだったら、働いてお金を貯めた方が良いと思ったんですよね。だから今は、自立して、自分の将来の夢を叶えるために、毎日がんばって目標に近づいています。それはすごくうれしいですし、働いていて良かったと思います。


今の若者は、政治に興味を持っていると思いますか?
3.11の震災を振り返ると、TwitterなどのSNSから情報を得て、関心を持っている人は多いと思いました。SNSで自分から意見を拡散している人も最近増えてきたと感じています。しかも結構良いこと言っていると思いますよ。あとは、テレビでも話題のニュースに関しては、友達同士話したりするので、みんなどんなことを考えているのか知る機会もあります。

政府がやっていることの真実もわからない
政治に関して関心がない理由は何だと思いますか?
関心がないというより、諦めているんだと思います。自分の意見を言ったところで、何も反映されない。メディアは真実を隠しているように見えるし、政府がやっていることの真実もわからないんだと思います。だから何を信じていいのかわからなくなっちゃう。国会で決まったことだって、政権が変われば何もなかったことになっているし。これじゃ関心すら持てなくなっちゃいます。



国の政策を決める一員であるという自覚を強く持ってるし、自分の意見があるなら、ちゃんと正式な方法で伝えたい。
現代の日本政治を、どのように感じていますか?
大人が勝手に作り上げた空間みたいなものですね。自分たちの意見はシャットアウトされてしまいます。30、40歳の大人にならないと、ちゃんとした意見として受け入れてもらえない気がします。今はまだ19歳で選挙にも行けないし、20代だと今みたいに働いているとなかなか時間を作るのが難しそうですよね。
しかも選挙に行っても、どうせ20代の票は少ないから意見が反映されないと感じてしまいます。でも私は20歳になったら選挙に行きますよ。国の政策を決める一員であるという自覚を強く持っているし、自分の意見があるなら、ちゃんと正式な方法で伝えたいと思うので。
今若者に必要な政策とは何だと思いますか?
高校の授業で、卒業後の就職をサポートするプログラムがあったので、そういう職業教育も盛んに取り入れていくべきだと思います。もちろん学問的な勉強もしなきゃいけないのはわかっています。でも、私の高校だと特に就職率が高いので、文部科学省が定めたカリキュラムから少し変えられる仕組みがあるといいですよね。例えば、就職のことについて教わる総合学習の授業をもっと増やせれば、高校生が卒業後の進路についてもっと真剣に考えられるのではないでしょうか。そうすれば卒業後の就職先を、より自分にあったものにできると思います。





(執筆・撮影:相川美菜子)

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