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2016年6月26日日曜日

岩本 好礼 「『反』原発ではなく、『脱』原発へ!!」

19歳・大学生
岩本 好礼
 


 

宮城県仙台市出身。2013年慶應義塾大学環境情報学部入学。
辯論部藤沢会と演劇サークルに所属。辯論部では2013年6月に全国学生新人弁論大会で優勝。演劇サークルでは副代表を務め、役者から脚本、演出までを手掛ける。趣味はギター演奏や演劇鑑賞で、友人とおしゃべりすることが好き。大学では政治哲学、政治思想を学んでいる。

Opinion#1 : 私の興味分野✕政治「“反”原発ではなく“脱”原発へ」
Opinion#2 : 若者の政治参加「関心がない人はいない」


「僕は脱原発です」根拠に基づいた冷静な議論を
岩本さんが興味を持っている政治の問題は何ですか?
エネルギー政策です。原発再稼働に対して疑問を感じています。ただし、僕は「脱原発」の立場であり、「反原発」の立場ではないことを強調したいです。
脱原発と反原発はどう違うのですか?
僕の定義ではありますが、反原発はイデオロギーとして原発に反対している人が多いです。感情的になりがちで、戦争で被爆した歴史や東日本大震災の原発事故による健康被害などを訴えの背景にしている例が見られます。
一方、脱原発は根拠に基づいた冷静な訴えです。他の発電方法と比べて原発は優れていないという根拠を踏まえた上で、僕は原発はいらないと考えています。
「感情的な世論で決めるのは危険」電力は安定供給が最優先
反原発の考え方に対してはどう感じていますか。
電力に関する問題は他の社会問題と性質が異なります。電気がなければ日常生活は成り立ちません。僕は震災のとき仙台に住んでいたので、電気の大切さを、身を持って感じました。電気がなければ、水道が使えなくなることもありますし、何より夜は真っ暗闇になります。さらに、震災当時は3月で、東北は寒さが厳しい時期でしたので、人命にも被害が及び兼ねませんでした。
エネルギー政策の要素は、安全性、安定性、経済性の3つです。この3つの要素を考えずに、感情的な世論やイデオロギーだけでエネルギーに関する政策を選んでしまうことは大変危険です。
ですから、反原発ではなく、脱原発の立場において、電力の安定供給を第一に考えるべきなのです。

「原発はいらない」安全性・安定性・経済性に優位性なし
エネルギー政策の3要素を考えても原発はやめるべきなのですか?
はい。もし、原発に本当に安全性があって経済的にも合理性があるのであれば、僕は再稼働しても良いと考えるでしょう。根拠に基づく考え方の立場ですから。
まず、安全性は言わずもがなでしょう。震災時、本来なら厳重な管理下に置かれているべき原子炉内の様子すら把握できませんでしたよね。そもそも、不測の事態が起こったときに、周辺住民を避難させないといけません。安全性はもっとも疑問視されるところです。
次に安定性です。確かに原発は安定した発電が可能ではあります。しかし、発電に使う燃料の確保を考えると、他の発電方法より原発が優位ということはありません。原発の燃料はウランですが、日本国内ではほとんど産出していません。なので、燃料を輸入しているという点で、火力発電の石炭や石油、天然ガスと変わりないのです。2020年にはウランの需給が逆転して価格が高騰するという予測もあるし、実際上がってきています。この点に関しても他の燃料と同じ状況だと言えます。
そして経済性、つまりコスト面です。原発は発電コストがすごく安いと言われています。でも、実際に算出してみると違います。政府が提示する発電コストには、発電所建設地域に支払われる電源三法交付金などが含まれていないのです。原発の発電コスト5.3円(kW/h)に、算出されるべき支出を含めると、火力発電の2倍くらいのコストがかかっています。
以上の3つの事実を見て、果たして本当に原発を動かす必要はあるでしょうか。
さらに、高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のゴミ」の最終処分場が日本にはありません。中間処理場はありますが、いわばゴミ箱がどんどんいっぱいになっていくのが現状です。ゴミ箱がないのにゴミを出し続けていいのでしょうか。最終処分場は政府がトップダウンで作れるものではありません。どれだけお金を出そうとも、反対しない自治体はありません。首長が手をあげようものなら、リコールされてしまいます。政治家の力では解決できません。
ほかにも、既存の原発を改築するにはコストと時間がかかり過ぎますし、今の世論を鑑みるに、間違いなく原発は新設できません。いずれにせよ、政府が定めた40年の寿命によって、2050年には原発はゼロになるのです。

なるほど。原発に依存しない、次の発電方法を考えなければいけませんね。
前提として、電力という財は溜めることができません。また、需要と供給を常に一致させる必要もあります。需要が多すぎても供給が足りなくても停電してしまいます。
現在、震災で原発が止まったことにより、発電量全体の3割だった原子力がゼロになり、6割だった火力が9割になっています。定期点検を延期したり、動かしていなかった発電所を稼働させたりするなど、国内の火力発電所をフル稼働させているのが現状です。しかし、火力発電は長時間稼働には向いていません。それでも酷使しているので、故障が頻発しています。
すると、突然電気の供給が止まっていまします。停電というのはドミノ倒しみたいなもので、一箇所が停電すると周辺に波及していき、大規模停電につながり兼ねません。交通機関や医療機関にダメージを与えますし、経済的にも人命的にも大事態になってしまいます。最初に言った通り、電力は安定供給が第一なのです。

「まずは石炭火力発電に」再生可能エネルギーまでのつなぎ
火力に依存するのは危険。だからと言って、先ほどの3要素を考えると原発も動かすべきではない。では、どうしましょう?
じゃあ、再生可能エネルギーという話になります。しかし、実際は難しい話です。導入にはコストも時間もかかりますから、中長期的な計画になります。ですから、それまで短期的にはどうするかということが迫られます。
僕は、石油火力発電ではなく石炭火力発電にするということを提案します。石炭を火力発電に使うことは日本では主流ではありません。でも、現在は次世代の石炭火力発電が注目を浴びています。
IGCC(石炭ガス化複合発電)というもので、従来の石炭火力発電よりも高い発電効率が得られます。他にもメリットがあって、石炭を使うと長時間稼働が可能になりますし、従来と違って低品質な石炭も使えます。また、石炭は石油と違って輸入できる国が世界中に点在しています。さらに、デメリットとして懸念されがちなCO2や有害物質の排出ですが、技術の進歩により環境評価の審査基準をクリアしています。ですから、安定性や安全性からしても現実的な選択なのです。実際、東京電力もIGCCの導入に積極的です。
再生可能エネルギー「洋上風力と地熱に期待」
短期的には次世代石炭火力ですね。それでは、中長期的に見た再生可能エネルギーに関してはどうでしょうか?
僕は、再生可能エネルギーとして洋上風力と地熱に可能性を感じています。
まず、洋上風力発電です。風力や風量が安定しない陸地に代わって、風が安定していて騒音の問題もない海上に設置するというもので、技術的には確立されています。例えば、風量の多い東北・北海道沿岸の海上に設置すると、現在の東北電力の2倍以上の発電量が見込め、周辺地域の電力需要をまかなえると言われています。もちろん、多額の初期投資が必要ですが、自然エネルギーだけあって発電コストは相当安いです。台風や漁業権との兼ね合いもありますが、中長期的には洋上風力発電を推します。
もうひとつは地熱発電です。簡単にいえば、地面に管を通して地下の熱水の蒸気でタービンを回して発電するというもので、僕はその多大な可能性に期待しています。技術力も世界シェアも日本がダントツです。何より地熱は安定していますし、原発20基分の発電量を得られる圧倒的な規模で、それでいて維持費も人件費もほとんどかかりません。ただし、掘削や建設などの開発に10年くらいの時間がかかります。だから、中長期的になります。

「エネルギー政策はバランスが大切」電力の3つの役割
再生可能エネルギーの可能性は大きいですね。将来的にはどうなるのでしょうか?
エネルギーのバランスをどうとっていくかが重要です。発電方法の性質によって、ベース電源、ミドル電源、ピーク電源という3つの役割に分けられます。継続的な需要はベース電源に、需要が一気に高まったときはピーク電源に頼ることになります。例えば、安定性に優れているけど一定量しか発電できない地熱はベース電源に使い、出力を一気に上げて発電できる火力はピーク電源として使うというようなバランスが考えられます。
老朽化した火力発電所をIGCCに置き換えていき、まずは火力で再生可能エネルギーが実用化するまでつなぎます。そして、将来的には洋上風力や地熱を含めてバランスをとっていきます。これが最も現実的なエネルギー政策の考え方ではないでしょうか。
根拠に基づいた冷静な議論をすることができれば、方向性は見えてくるはずです。
 
「関心がない人はいない」若者の政治意識

今の若者は、政治に興味を持っていると思いますか?
あると思います。投票行動などの積極的なカタチとしては目に見えていませんが、何にも関心がないという人はいないのではないでしょうか。投票しないから興味がない、わかってないから興味がないということではありません。政治に無力感を感じるのも興味のひとつです。言葉遊びかもしれませんけどね。
「公と私の結びつきが弱いのでは」若者の投票率の低下
投票行動に結びつかない理由は何だと思いますか?
日本では、公的なものと私的なものが結びついているという意識が低いからではないでしょうか。
以前、中国に住んでいた友人と話したことがあります。中国の人は、政治に対する要望や反感を強くもっているそうです。特に地方において顕著に見られ、前日のニュースが話題によく上がるようです。これは、公の問題を自分の生活に結びつけて考えているからだと思います。
一方、日本では実感として公と私における利害との距離が遠いのです。もちろん、結びつかない問題などありません。しかし、政治は画面の向こうの世界、自分には関係のない世界に感じてしまいます。よくある話になってしまいますが、ある種、日本が成熟してきている現れなのかもしれません。
「今の政治に足りないのはバランス感覚」
現代の日本政治を、どのように感じていますか?
誰のための政治かわからないというのが実感です。国民全体のために行動しているというより、議員の地元で票を入れてくれる人たちの利益を優先させて政治をやっています。もちろん、地元の人たちの民意を汲み取っているというプラス面にも捉えることができますが。部分最適か全体最適かという話です。
例えば、核のゴミの最終処分場を地方の過疎地域に作ったら、一部の人たちは虐げられますが、“ゴミ箱”がほしい多数の人たちは幸せになります。部分部分だけを見ていると全体の利益にはなりませんが、全体に利益があるからといって一部の人たちが虐げられてもよいのでしょうか。これは問題の性質によっても変わってきます。
今の政治には「バランス感覚」が足りていないのです。

「政治参加は能動的であるべき」
今、若者に必要な政策とは何だと思いますか?
強いて言えば、教育において選挙制度自体だけを教えるのではなく、その理由や意義について議論をさせるべきだと思います。
しかし、若者の投票率を上げるという目的であるのなら、政策がどうこうという話ではないと思います。国があって個人があるのではなく、個人があって国があります。ですから、上から民主主義を押し付けるのではなく、下からの発露でもって国が動くべきです。
「べき」と「である」のバランスを
“将来” の自分たちに、“今”必要な政治とは何ですか?
短期的な問題と長期的な問題のバランスをよく考える政治です。実際は、任期のことがあるので、効果が出るまでに10年かかる政策よりも、数年で利益がでる政策を打っていくに決まっています。長期的なエネルギー政策もまさにこれです。数十年スパンで、コストがかかり、リスクもある政策課題に取り組むような体制ではないのです。
「こうあるべき」という“べき論”と「こうである」という“である論”の両者を念頭においた上で、互いにすり合わせていくと調度良い均衡が見えてくるのではないでしょうか。

 

(執筆:小島眞司/撮影:相川美菜子・小島眞司)

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2016年5月1日日曜日

四ツ谷美季「憲法をもっと身近な存在に」

19歳・大学生
四ツ谷 美季




北海道出身、2013年中央大学総合政策学部入学。軟式野球サークルのマネージャーを務める傍ら、大手カフェでアルバイトをしている。趣味はダンスとスポーツ観戦。高校時代はチアリーディング部で全国大会に出場した経験を持つ。


Opinion#1 : 私の興味分野✕政治「国が主導で国際交流を活発に」
Opinion#2 : 若者の政治参加「関心がないというより、行動に移せていないだけ」


四ツ谷さんが伝えたい政治に関する意見は何ですか?
憲法改正の問題についてです。もっと前向きに議論をしなければいけないと考えています。
憲法問題に興味をもつきっかけは何だったのですか?
高校1・2年生のときに、札幌弁護士会主催の憲法を考える高校生講座に参加したことがきっかけです。社会科の先生に勧められて、法学に興味のある同級生と参加してみることにしました。高校生でグループを作り、弁護士の方を交えてケーススタディで議論を深めていくという内容です。1年生のときは憲法9条に関して、2年生のときは死刑制度に関して学びました。人の数だけ考え方があるのだと刺激を受けました。また、大学に進学後、1年生で「憲法と人権」という講義を履修し、さらに詳しく学んだことで、憲法問題に対する関心がより高まりました。
時代に合わせた憲法であるべき
どうして問題だと思いますか?
日本国憲法が制定されてから60年以上が過ぎています。制定当時の戦後の日本と、先進国の一員として最先端を走る現在の日本とでは、状況が激変しています。憲法自体で言えば、近年は環境やプライバシーなどの新しい人権が主張されていることもあり、考え直さなければならないのです。



特にどの部分に関心があるのですか?
憲法第9条の改正問題です。私は改正賛成派です。
他国と対等になる必要がある
第9条と言えば、平和主義や自衛隊問題ですよね。
はい。過激に聞こえるかもしれませんが、自衛隊をいつまでも軍隊として認めないのは先進国の一員の対応として間違っているのではないかと感じています。決して戦争をしようと言っているわけではありません。他国と対等にならなければいけないということです。防衛の建前と自衛隊の中身という矛盾を抱えているのは、逆に安全保障として危険が伴うのではないでしょうか。


しかし、平和主義は世界に誇れるものですよね?
もちろんです。平和主義は日本人に深く根付いた大切な考え方で、これからも後世へ 伝え続けていかなければなりません。第9条を改正したとしても、その理念は失われることはありません。反対派にとっては、戦争が繰り返されるという懸念が大きいようです。しかし、自衛隊を軍隊と位置づけたら戦争になるという考えは短絡過ぎると思います。


改正議論はなかなか前進していませんが、どうすればよいでしょうか?
賛成派も反対派も極端な主張をしているから、議論が前に進まないのだと思います。個々の意見が表面化せず、2つの大きな意見として集約されてしまっています。そうではなくて、どう賛成で、どう反対なのか、互いに聞く耳を持ってもらいたいです。反対意見を汲み取った賛成、賛成意見を汲み取った反対、そういう議論をしていきましょう。




今の若者は、政治に興味を持っていると思いますか?
実感としては思いません。私の周囲には、外国語や異文化に興味のある学生や何か活動に励む学生が多いという印象です。大学に入ると自分の興味関心のある分野に進むので、その中で政治に進む人は限られてくるのではないでしょうか。
政治に関して関心がない理由は何だと思いますか?
政治に対してあきらめているからではないでしょうか。政治は選挙でもない限り見えにくい部分が大半で、あまり開けた世界ではないですよね。そのため、政治はどこか遠くの世界という印象が強くあります。
また、ニュースなどで政治に関心を持っていても、周囲に意見や議論を発信しようとする人が少ないということも考えられます。
もちろん、若者には自分たちの今の政治参加が、20年後、30年後に自分に返ってくるということを強く意識しなければならないと思います。


現代の日本政治を、どのように感じていますか?
私たち国民のためというよりも、自分の利益のために政策を考えているような気がします。さらに、建設的な議論がなされていないという疑問も抱いています。例えば、法案の採決のとき、成立させないために委員会に議員が出席しないということです。確かに、欠席によって反対という意思を伝えているのかもしれませんが、どう反対なのかという中身が伝わらないのです。そういう様子を国会中継などで目にすると、あきれてしまいます。
今若者に必要な政策とは何だと思いますか?
政治教育の充実です。領土問題を例に挙げましょう。ある土地について、日本人は日本の領土だと訴えていて、相手国の人は自国の領土だと訴えています。平行線のまま、領土問題は変化を見せません。一体なぜなのか、もとをたどると、歴史的な問題が横たわっています。現在の歴史教育では、当たり前のようですが、自国が正しいと思っていることしか教えていません。結局は、テストに出るから、受験に必要だからという目的で勉強させられています。
私はもっと議論を重ねた上で相手国の立場にも立って考えられるような柔軟な教育が必要だと思います。クラス内で議論してみたり、相手国の同世代と話し合ってみたりする機会を設けることで、若い頃から政治問題に対する多面的な考えを養うことができるのではないでしょうか。



(執筆・撮影:小島眞司)

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2016年4月19日火曜日

松井晴菜「看護師の価値を社会の価値に」


松井晴菜


21歳 看護学生




好奇心旺盛な21歳。聖路加国際大学看護学部4年在学中。看護学を学ぶ傍ら、医療以外の様々な分野にも興味を持ち、課外活動に積極的に取り組む学生生活を送ってきた。その中で医療と社会の間に壁があることを感じたことから、社会と医療・看護の架け橋になりたいと考え、仲間と共に医療系メディアM-Laboを立ち上げ運営を開始した経緯を持つ。現在は看護の世界をもっと多くの方に知ってもらいたいと願い活動中。高校時代には器械体操部に所属し活発な一面もあるが、普段はのんびり屋である。




Opinion#1 : 私の興味分野✕政治「看護師の価値を社会の価値に」


Opinion#2 : 若者の政治参加「興味を持たないという風潮がある」



松井さんが今関心を持つ問題はなんですか?

看護師業界でかなり以前から議論されている「准看護師制度を廃止するかどうか」についての問題です。大学に入学する前から、看護師である母と祖母からこの問題のことを聞いて興味を持ちました。実は看護師というのは「准看護師」と「看護師」の2種類存在するのです。

「准看護師」と「看護師」の違いはなんですか?

現場では両者とも「看護師」の名称で業務をしているのですが、資格の認定者と受ける教育が大きく違います。看護師は厚生労働大臣の定める国家資格で、傷病者に対して療養上の世話又は診療の補助を行います。一方で、准看護師は都道府県知事の検定試験で得られる資格で、医師・看護師の指導の下、同じ業務を行います。

現場では両者とも「看護師」の名称で業務をしているが、資格の認定者と受ける教育が大きく違う。

資格の認定者が定義が違うのに、同じ看護師として働いているのですね。
はい。病院ではどちらも同じような格好をして働いていて見分けがつきませんので、初めてこの違いを知った方も多いと思います。実際、患者さんのために施す処置が限られている個人病院などで働く場合は特に、ほとんど違いはないようです。大きな違いと言えば、准看護師は師長などの現場責任者になれず、看護学生などの教育及び指導が出来ないことです。その分給与にも違いがあります。月給で言えば数万円程看護師のほうが高いのが一般的です(都内の場合)。なので、所属部署によっては、ほぼ同じ業務をこなす看護師間で給料が違うことが人間関係のトラブルになるケースも現実としてあるようです。



教育はどのように違うのですか?
看護師は高校卒業が必須条件で、大学か専門学校で3、4年間学んだ後、国家資格を取得します。資格取得のための学習量の基準は、総授業時間数は、3000時間以上、97単位と定められています。一方で、准看護師は中卒で准看護師養成学校に入学することができます。教育は2年間という短期間で、基礎科目105時間以上、専門基礎科目385時間以上、専門科目665時間以上及び臨地実習735時間以上の講義、計1890時間以上の実習等を行うようにすることと決められています。約1000時間以上も差があります。ちなみに、准看護師制度は戦後の看護師不足の背景からかなり教育内容を簡略化して必要最小限の知識を短期間で修得し、看護の担い手となってもらうことを目的に作られた制度だということも補足しておきます。

また、学ぶ内容として、看護師は大学や専門学校で患者さんの生命と安全を守るために多くの知識や患者さん中心に考えるための系統的な思考について学びます。実習では授業を通して得た様々な知識を入れた上で、一定期間一人の患者さんと長く向き合い、看護について考えることが出来ます。一方で、准看護師は先に話したような背景から、現場で医師や看護師の指示に従う実践的な内容がメインで、看護学を習得する時間が少ないのではないか、と感じます。それを示す例として、准看護師資格を持ち看護大学で看護師資格を取得した友人が「大学教育の方が手技より頭脳的な方に重きを置いていて、考えさせられることが多いです。准看護師の養成学校では、医師が疾病治療について教えており、患者の疾患の病態のことは学ぶけど、患者さんを人間として多角的に観て生活を支えるといった看護学については学びませんでした。だから、実習先では患者さんの情報を取ってきなさい、と言われても何の情報を取ればいいかわからず、看護って何をするのか全然分かりませんでした。カリキュラムとして存在する実習をただこなすといった感じでした。」と話していました。

さらに、私の友人のように看護師の資格を取り直すために二重教育を受けている人はとても多いのも現状です。なぜなら、准看護師自身、養成所職員、病院関係者の全てが、准看護師制度の教育は不十分だと考えているという調査結果もあるからです(資料1)。准看護師は短期間で看護師になれるというメリットがあります。が、結局のところ教育が二重になっているのが現状です。


「大学卒の看護師が増えると患者の死亡率が減る」という研究結果。
看護師のケアの質は患者さんの生命に関わっている。
看護師が2種類存在し、教育内容が違うことで、何が問題なのでしょうか?3つ挙げられます。1つ目は、教育内容に違いや資格受験の授業数の基準が違うことは、看護師のケアにも差が生じる可能性があるということです(資料2)。つまり、同じ医療費を払ったとしても、看護師から受けるケアの質は担保されないかもしれないのです。ここで、病院にあまり行かない人であれば、もしかしたらどっちの看護師に看護を受けても同じだと考える人もいるかもしれません。しかし、「大学卒の看護師が10%増えると患者の死亡率が5%減る」という研究が、Linda H. Aikenらにより2003年にアメリカ医師会誌(JAMA)で発表されており、さらに同じ研究グループが欧州で追試験を行ったところ患者の死亡率が7%減るという結果も2014年に英国のLancet誌で報告されています(資料3)。准看護師制度がなくなれば患者の死亡率に影響が出るということを示しているわけではないですが、患者さんの安全を守るために看護師が一定水準の教育を受け、専門性を持った看護師が増えることが望まれています。

2つ目は、受ける教育によって離職率も違うということです。大学卒の早期離職率は看護師養成所卒に比べ1/10(資料4早期離職率=大学卒:0.56%、養成所卒:6.19%)という研究があります。現在、国に5万人ほどの看護師が足りないと言われるくらい看護師不足が深刻な問題となっていますが、看護教育は今後の医療の未来においてとても影響力があると言えそうです。

3つ目は、准看護師は就職先に限りが出ていることです。なぜこういう現象が起きているかというと、7:1の看護師の配置基準の診療報酬の改訂(7人の患者さんにつき1人の看護師の配置が一番良い労働環境が得られるため、病院がその基準を満たすと収入が一番高く得られるという内容)により、看護師(准看護師を除く)の配置が7割以上と定められ、大病院や総合病院など多くの病院がその基準を満たすために准看護師を雇わなくなったからです。せっかく看護師になったとしても働きたい場所で働けなくなってしまう可能性があり、キャリアを見据えると准看護師から看護師になった方がいいと考える人が多いようです。しかし、地方のクリニックや個人病院では雇用はあり、地域医療を支えている存在ともなっているようです。


どう解決されて欲しいですか?
まだ解決策は見えないですが、看護ケアの質の向上と看護職の地位向上ができれば、と考えます。看護師は入院生活を支える身近な存在なので、多くの人にとって無縁ではないでしょう。ちなみに、准看護師制度については、その教育制度は福井県では廃止されていますし、神奈川県でも廃止する方向性に動いています。准看護師の問題について、特に神奈川県知事の黒岩さんのブログを読めばよく分かると思います。(資料5)。黒岩さんは、元ジャーナリストで看護への理解が深い方です。もし興味を持ってくださった人がいたら、ぜひ読んで頂きたいです。

「看護の価値を、社会の価値に」
最後に、画用紙に書かせていただいた言葉について話させてください。「看護の価値を社会の価値に」は、私の尊敬する看護職の方の言葉です。この言葉には、もっと看護職が社会に自らの価値を発信しなくてはならない、という意味も込められています。

私は、ご縁があって医療ビジネスコンテストやホスピタル・アート・オブザイヤーというアートを用いて病院の療養空間を良くしようという趣旨で開催されたコンペティションに出場し最終審査まで出場させて頂いたり、日本医療政策機構でインターンの経験させて頂いたりすることができました。医療の分野以外に社会との接点を持つことは、違う分野の人の視点を知ることができるだけではなく、看護の事や医療の問題の解決手段について知り、解決方法を考えていくことができる良い機会でした。そして、その中で医療や看護についての自分の認識と他分野の人との認識の間にはどうしても壁ができてしまうということに気づくことができました。だからこそ、もっと知らないことを知りたいとも思いましたし、自分も看護について伝えたいと思うようになりました。

今回のインタビューは、看護のことを伝えることができる良い機会だと思い、引き受けさせていただきました。そして、政治の問題となると説明するのはとても複雑で、非常に難しいということを実感することができました。しかし、その難しさを乗り越えてでも他の分野の人に自分の分野のことを伝えることができなければ、自分の分野にある問題の解決は難しいのではないかとも思います。是非もっと多くの看護学生には様々な機会を活用して、看護のことを伝えていって欲しいです。そして、私もそうありたいと思っています。


今の若者は、政治に興味を持っていると思いますか?
興味を持たないという風潮が作られてしまっているだけだと思います。一概には言えないですが、興味がないというよりは諦めている人が多いような印象です。私も政治に興味はありますが、よく分かっていないことも多いです。でも、興味を持たなければ何も始まりません。政治を諦めてしまったら、極論ですが一部の人間に勝手に戦争を引き起こされる可能性もあります。命の重さを知る医療者としてそんな世の中になってはとても耐えられません。

政治に関して関心がない理由は何だと思いますか?
若者に限らず、日本は全体的に他人にお任せ主義なところがありますよね。上手くいかないのは政治のせいだ!政治が悪い!と声を張り上げる大人がたくさんいて、子どもたちはその姿を見て育ちます。つい最近まで子どもだった一人として、政治について当事者意識を持つきっかけがまだまだ足りないのが原因だと思います。高校を卒業するまで、ほとんどそれがなく、大学に入学して実際に政治関係者の方と関わってみて初めて分かることが多かったです。その機会を自分で作るしかない状況なのが、大きな理由なのではないでしょうか。


現代の日本政治を、どのように感じていますか?
身近なことで最近、投票に行けばアイスがもらえるよ!とか、企業と選挙がコラボした取り組みなどをよく見かけます。私は、投票率が上がっても、きちんと考えずに投票しなければ意味ないのではないかと思います。とりあえず投票すればいいや~って、まさにそう思ってしまいそうな自分がいて、そんな自分がとても怖いです。選挙権を18歳に下げるという話もありますが、高校生までの生活の中では選挙や政治はかけ離れた存在にあるので、多くの子ども達が投票とか政治の実際を分からないと思います。たとえば模擬選挙などの取り組みもあるようですが、選挙権を得る前から政治に関わることをリアルに感じることができる授業があると良いのではないでしょうか。

子育てする人に対する優遇も必要
今若者に必要な政策とは何だと思いますか?
こちらは医療とは離れますが、子育てに対する政策です。私は将来働きながら子育ても両立したいですが、今のままだと将来に自信が持てません。子育てしている人がまだまだ損しているように見えるからです。私は、補助金を増やすばかりではなく、子育てしていない人の税金を高くする等、子育てをする人に対する優遇はあってもいいと思います。 (※ ここでの“子育てしない人”の対象は、出産できる環境にあるにも関わらず、出産しない選択をした方のみを対象とします。) なぜなら、将来の年金を支えるのは今の子ども世代であることを考えると、子どもへの出資が多い家庭とそうではない家庭の間に税金の額の違いがあってもおかしくはないと思うからです。あくまでもこれは一意見ではありますが、今国が力を入れてきている父親の子育て参入を増やす支援を含め、これから子どもを育てる未来の母親が、子どもを産みたい!と思えるような政策が増えてほしいです。

(執筆:相川美菜子/撮影:小島眞司)

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2016年4月17日日曜日

岩田由樹奈「若者が働く環境をもっと広げてほしい」

19歳・フリーター
岩田 由樹奈

高校1年生からアルバイトと学校生活を両立させ、高校卒業後はサロンモデルとして活躍中。また、夜は飲食店でのアルバイトもこなしている。将来の夢は美容系の職に就き、世界中の女性を美しくすること。趣味は音楽や舞台鑑賞。


Opinion#1 : 私の興味分野✕政治「若者が働く環境をもっと広げてほしい」
Opinion#2 : 若者の政治参加「SNSで発信する若者が増えた」


就職3年以内の離職率は、大卒者は31%、高卒者だと39%。
岩田さんが関心にある政治に関わる問題は何ですか?
前にテレビで見たのですが、若者の離職率の高さがすごく気になりました。私は今年の3月に高校を卒業して、今は働いてるんですけど、高卒生の離職率が特に高いのには驚きました。2010年に就職した若者のうち3年以内に仕事を辞めたのは、大卒で31%、高卒だと39%もいるそうです。
高校の友達も半分くらいは就職していて、実際に仕事を辞めた人、辞めたいと言っている人がいるので、すごく身近な問題に感じています。辞めたいけど、高卒だと面接で不利だったりしてなかなか次の良い仕事を見つけられないから簡単に辞められない人もいます。
どんなことが理由で仕事を辞めたいと言う人が多いと感じていますか?
やっぱり職場の環境が悪いことだと思います。実際、最近いわゆるブラック企業で有名になっている居酒屋で働いていた友達が2人いるのですが、辛すぎて辞めざるを得なかったみたいです。まだ何も教えてもらってない新人なのに怒鳴られたり、容姿で差別されたり、シフトを無理に変えられたり……とにかく酷かったみたいですね。高卒だと特になめられるというか、仕事をちゃんと任せてもらえないみたいです。
どんなに頑張っても、どんなに仕事ができても、能力ではなく年齢でしか見てもらえないことはある。
岩田さん自身もが高卒だと特に不利だと感じることはありますか?
やっぱり高卒だと18、19歳で未成年だからなのか、信頼してもらえないことがあります。どんなに頑張っても、どんなに仕事ができても、能力ではなく年齢でしか見てもらえないことはある。あと、どうせすぐ辞めるだろうと思われて、ちゃんとした仕事を任せてもらえないこともありますね。



政府が企業に常に目を見張り、一見平和そうな職場の裏で苦しんでいる若者を助けていくべき
では劣悪な労働環境で若者がやめていく現状はどう解決されるべきだと思いますか?
すでに政府もちゃんと動いているみたいですよね。最近、厚生労働省は離職率がすごく高い企業には立ち入り調査をして、勧告しているそうです。そういう活動をしてくれているのはすごく心強いし、安心できるので、もっと続けていってほしいですね。
でもやっぱり、メディアで取り上げられるような被害が出てから調査をするのでは遅いと思います。様々な企業に常に目を見張っていないと、一見平和そうな職場の裏で苦しんでいる若者を助けることはできないと思います。
「政府自体ももっと若者を雇用してほしい」
では、そのような若者の労働環境を良くするために、政府にどんなことをしてもらいたいですか?
政府自身ももっと若者を雇用してほしいですね。実際に高校を卒業して、公務員になった人は結構いるんです。警察とか役所とか。その人たちは、公務員は収入も安定していて働きやすそうなので、そういう高卒生を採用する枠をこれからもっと増やしていってもらえるとうれしいです。
でも、本当は、中退や高卒の若者が、公務員だけではなく、もっと色んな職業に就ける社会になればいいと思います。そのためには企業が採用基準を変えたり、政府が企業へ呼びかけたりしていく必要もありますよね。

私は大学に行きたくないとか行けないという理由で行かなかったわけじゃない
では最後に、今働いていて良かったと思うときはどんなときですか?
私は大学に行きたくないとか行けないという理由で行かなかったわけじゃないんです。確かに大学進学の道も考えたけれど、本当にやりたいことがまだわからない中で行っても遊んでしまうんじゃないかと思って。それで親に迷惑をかけるくらいだったら、働いてお金を貯めた方が良いと思ったんですよね。だから今は、自立して、自分の将来の夢を叶えるために、毎日がんばって目標に近づいています。それはすごくうれしいですし、働いていて良かったと思います。


今の若者は、政治に興味を持っていると思いますか?
3.11の震災を振り返ると、TwitterなどのSNSから情報を得て、関心を持っている人は多いと思いました。SNSで自分から意見を拡散している人も最近増えてきたと感じています。しかも結構良いこと言っていると思いますよ。あとは、テレビでも話題のニュースに関しては、友達同士話したりするので、みんなどんなことを考えているのか知る機会もあります。

政府がやっていることの真実もわからない
政治に関して関心がない理由は何だと思いますか?
関心がないというより、諦めているんだと思います。自分の意見を言ったところで、何も反映されない。メディアは真実を隠しているように見えるし、政府がやっていることの真実もわからないんだと思います。だから何を信じていいのかわからなくなっちゃう。国会で決まったことだって、政権が変われば何もなかったことになっているし。これじゃ関心すら持てなくなっちゃいます。



国の政策を決める一員であるという自覚を強く持ってるし、自分の意見があるなら、ちゃんと正式な方法で伝えたい。
現代の日本政治を、どのように感じていますか?
大人が勝手に作り上げた空間みたいなものですね。自分たちの意見はシャットアウトされてしまいます。30、40歳の大人にならないと、ちゃんとした意見として受け入れてもらえない気がします。今はまだ19歳で選挙にも行けないし、20代だと今みたいに働いているとなかなか時間を作るのが難しそうですよね。
しかも選挙に行っても、どうせ20代の票は少ないから意見が反映されないと感じてしまいます。でも私は20歳になったら選挙に行きますよ。国の政策を決める一員であるという自覚を強く持っているし、自分の意見があるなら、ちゃんと正式な方法で伝えたいと思うので。
今若者に必要な政策とは何だと思いますか?
高校の授業で、卒業後の就職をサポートするプログラムがあったので、そういう職業教育も盛んに取り入れていくべきだと思います。もちろん学問的な勉強もしなきゃいけないのはわかっています。でも、私の高校だと特に就職率が高いので、文部科学省が定めたカリキュラムから少し変えられる仕組みがあるといいですよね。例えば、就職のことについて教わる総合学習の授業をもっと増やせれば、高校生が卒業後の進路についてもっと真剣に考えられるのではないでしょうか。そうすれば卒業後の就職先を、より自分にあったものにできると思います。





(執筆・撮影:相川美菜子)
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長嶋有里議員「既存の考え方に縛られない多様な生き方を!」

逗子市議会議員
長島 有里




高校卒業後、選挙のボランティアをしたことがきっかけで兄の大学の先輩だった長島一由氏と知り合い18歳で結婚。翌年、長女を出産。その後、市長私設秘書を務めながら立教大学法学部に入学。卒業後、逗子市議会議員選挙に初出馬し当選。現在3期目を迎える。趣味は社交ダンス、料理、読書。2児の母。

Opinion#1 : 私の興味分野×政治「“逆パターン”のキャリア形成も、選択肢としてあるのでは」

Opinion#2 : 若者の政治参加「当事者意識がないのでは」



きっかけは元政治家であるご主人との出会い。高校卒業後すぐに結婚、翌年出産。
政治の世界に入ったきっかけは何だったのでしょうか?
私はもともと、政治とはまったく関係のない家庭環境で育ちました。たまたま私が高校生のとき、兄が大学のサークルの先輩の選挙を手伝うことになって、私がそこに兄の代わりに行ったのがきっかけです。そして、その先輩というのが今の主人です。私が高校を卒業したすぐ後の春休み、主人が鎌倉市議会議員選挙に出て、私はボランティアとして手伝いました。選挙が終わるときに、“このまま結婚して一緒にやっていこう”となり、結婚に至りました。だから高校を卒業してすぐの5月に結婚することになりました。
高校を卒業してすぐに結婚?しかも結構年上ですよね!?周りの反対はなかったのですか?
頑張る政治家を応援したいという気持ちがあったし、なにより彼の熱意に惹かれました。確かに一回り以上も年上ですけどね。でも、両親ももともと彼のことを知っていたということもあり、全く反対されませんでした。兄はちょっと嫌そうな顔をしていましたけどね(笑)
その後、すぐにご出産されていますよね?
はい。私は19歳で1人目を出産し、主人は逗子市長選挙で当選、全国最年少市長となりました。市長夫人として、育児と家事をやりながら選挙を手伝ったのですが、今思えば本当に世間知らずでしたし、市長の奥さんということで周りからも色々言われましたね。その時は政治のこともわからないし、同年代のママ友もいませんので、悩みを共有できる友人がいなかったのが辛かったです。
そこからなぜ、自分自身が政治の世界に足を踏み入れようと思ったのですか?
きっかけは、逗子で乳児が置き去りにされた事件です。へその緒のついた生まれたての赤ちゃんが捨てられるなんて、ニュースで耳にするような話が実際に身の回りで起きて本当に驚きました。置き去りにされた乳児には、そこの自治体の首長が名前を付けると法律で定められており、自分たちで名前をつけました。この事件が起きてから、なぜこうしたことが起きるのだろう、政治で解決できないかと深く考えるようになりました。そこで、大学で政治について勉強し、子育てをしながら、大学卒業と同時に逗子の市議会議員選挙に出ました。当選後は議員をやりながら第2子を出産し、この春、大学院を出て、今3期目に入ったところです。



“逆パターン”のキャリア形成も、選択肢としてあるのでは
つまり10代で結婚、出産を経験し、それから大学に入学されたんですね。
そうなんです。私は一般とはキャリアが真逆。大学を出て、仕事をして、結婚をして、子育てをする、というのが一般的だと思うのですが、私の場合、先に出産と子育て、主婦を経験してから、大学に通い、議員という仕事に就きました。晩婚化で不妊に悩む女性も多いですが、若いときに出産してから、逆パターンでキャリアを積んでいくのも一つの選択肢としてあってもいいと思っています。今は仕事がないと保育園に子どもを入れられないと思うのですが、学ぶため、キャリアップのために保育園に入れられるようになれば、女性が先に出産や子育てをするという新たな生き方ができると思います。
でも、家事・子育て・大学を両立させるのは、大変ではなかったのですか?
忙しかったですし、周りと違う生き方をしていたのでママ友もあまり作れず、悩むこともありました。だからその頃、自分のブログに、自分の人生がこれからどうなっていくのだろう、と悩みを書いたこともありました。すると、ブログへのコメントで、“その生き方でいいと思う”と言われたことが心に残っています。今は自分が自分のやりたいことをできて良かったと思っています。そうでなければ、不満やもどかしさが溜まっていたでしょう。若いから両立ができたのだと思いますし、20代は思い切りやって良かったと思っています。
選挙カーを1人で運転。「1人3役やっちゃうようなこともありました。(笑)」
そこから次は、子育てをしながらの選挙ですよね?苦労したことや、工夫をしたことはありますか?
やはり独身男性と同じペースでやることはできないですね。家庭のことがあるので、朝から晩までビラを配るようなことはできません。だから削れるところは全て削って、優先順位を決めてできる限りの範囲でやりました。無理をして体調を崩せば、選挙仲間にも家庭にも迷惑がかかりますしね。
あとは、献金をいただかないというこだわりがあります。しがらみができることが嫌なので、企業からも個人からも一切献金を受けていません。だから、その分、市民活動に参加して交流をしたり、駅で手作りの新聞を配ったり、できるかぎり節約した選挙活動をしています。選挙カーを自分で運転しながらテープで声を流して……1人何役もやっちゃうようなこともありましたね(笑) 省くことは省いて、自分でできることは人に任せないで、何でも自分でやるというのが私流です。
もし政治の世界で男女の割合が逆だったら、待機児童問題なんて起きていない
女性ならではの工夫もされているのですね。ところで、長島さんがいらっしゃる逗子市議会では、男女の不平等を感じることはありますか?
そんなことはありません。逗子市議会は3分の1が女性で、委員会によっては半分が女性なので対等に話すことができます。
でも、男性にとって良い政策、女性にとって良い政策というのがあって、例えば出産の一時金増額の提案が出されたとします。男性議員は、もちろん人にもよりますけど、特定の党やあの議員が嫌いだからという理由で否決するケースがまれに見受けられます。その点、女性議員は、女性の視点で良いと思ったら賛成するので、政策の中身で是々非々に判断できる人が多いように思いますね。そもそも人口の半分は女性なんですよ。なのに、どうして政治の世界に入ると急に割合が減っちゃうのでしょう。女性の声が届かないに決まっています。もし政治の世界で男女の割合が逆だったら、待機児童問題なんて起きていないですよ。


最近は国を上げて働く女性を支援する動きが強いですが、やはり社会では女性の立場が弱いことは残念ですよね。
逗子市の市税収入も約8割が男性です。でも、今の時代は男女が平等に教育を受けることができて、学生時代は、女性が男性に対して能力が劣っていると感じることはありませんよね。ところが、社会に出て、結婚して出産した途端、女性が戦力外と見なされてしまうのはどうしてなのでしょうか。せっかく良質な教育を受けて育った女性を、結婚や出産を機に戦線離脱させちゃうのは本当にもったいない!逗子市では財政上の政策から非常勤の職員を増やしたのですが、そこに子育てが一段落した主婦の方がたくさん働いています。航空会社国際線でCAとして勤務していた経験を持ち、何カ国語も話せるような人までいますよ。そういう方には、どんどん社会に出て活躍していただきたいです。でも、真面目で人柄の良い女性ほど、子どもを生んだら家にいてあげるのが女性の務めだと思っているから、仕事を続けることができないようです。だから、男性も育休をちゃんと取って、夫も家庭経営に参加する。夫婦で子育てを協力して行うことが必要不可欠だし、女性が結婚や出産でキャリアを中断することなく、多様な生き方を選択できる世の中になるべきだと思いますね。


話は変わりますが、今長島さんが関心を持つ社会問題はなんですか?
強い関心を持っていることが2つあります。ひとつ目は“一人暮し高齢者”の問題です。高齢化により、認知症や寝たきりの方が増えていて、逗子でも孤独死が深刻な問題になっています。ふたつ目は、児童養護施設の子どもたちの就労に関することです。私は児童養護施設をまわって子どもの勉強を見たり、就労支援をしたりする活動をしているのですが、施設の子どもたちは18歳で施設を出なくてはならないのです。だから住み込みで働けるとび職に就いたり、旅館で働いたりするのですが、決してその仕事が合っているわけではないので、結局辞めて無職になってしまい、貧困の連鎖から逃れられないという現状があるのです。
これらの問題は行政だけでは対応しきれないので、私はその解決のために、現在NPOを立ち上げようとしています。
“高齢者と若者が一緒に住めるシェアハウス”を構想中
NPOの立ち上げ?どんなNPOなのですか?
高齢者と若者が一緒に住める世代間同居をマッチングするというものです。シニアの見守りにもなるし、若者も人生経験豊富なシニアたちから学べることはたくさんあると思います。児童養護施設を出た若者に限らず、留学生など色々な若者に声をかけて、今後はイベントなどを通じ活動を広げていきたいと思っています。行政はお金も人員もないので、NPOという新しい組織で、たくさんの人を巻き込みながらやっていきたいです。ちなみにNPO法人の名前は、”NPO法人KANATAN”です。神奈川、湘南エリアを中心に活動するのと、かなたんというイメージキャラクターを使うので(笑)今年の秋には設立予定です。是非みなさんに応援していただけたら嬉しいです。


今の若者は、政治に興味を持っていると思いますか?
興味がないわけではなく、個人差が激しいと思います。当事者意識がない人は、やはり関心が薄いですね。


“政治家”を“一般的なキャリアの選択肢”として考えてもらいたい
では、政治に関して関心がない理由は何だと思いますか?また、どうしたら関心を持てるようになるでしょうか?
関心を持つきっかけがないのだと思います。身近な問題でもいいですし、たまたま政治家と話す機会、SNS上で政治を知る機会など、自分事として政治を考えられるきっかけがあると、もっと身近なものとなりますよね。
そのためには選挙をもっとオープンにしていくべきですね。例えば、期日前投票を駅前や若者が集まるショッピングモールでイベント的にやったりするといいと思います。それから、議員インターンシップはすごく良いですね。ああいうところから未来の政治家が生まれるのだと思います。政治塾みたいな場所でただ勉強するのではなく、政治家の仕事を身近に感じてほしいですね。政治家って社会的に浮いた存在で、一般的なキャリアの選択肢として考えてもらえないのですが、もっと政治家という職の風通しを良くしていきたいです。
今若者に必要な政策とは何だと思いますか?
教育に関わる政策です。今、佐賀県武雄市が「花まる学園」という、全国初の官民一体型小学校を始めるという教育改革を行っていて、注目しています。今までの義務教育は、みんなに公平で、画一的で、学習指導要領に沿わないといけないという文科省の決まりがありました。でも、それだとすごく勉強ができる子も平均に合わせなくてはいけないし、逆に勉強が苦手な子はついていけなくなります。だから到達目標だけは決めても、授業の内容はもっと多様であるべきだと思います。


周りの政治家の方は、若い人を配慮していると思いますか?
逗子は高齢化率が30%と高いのでどうしても高齢者向けの政策が多くなりますね。そうなると若者も選挙への関心が低くなると思います。アートフェスティバルや、フィルムコミッションなど地域ブランディングのような創造的な政策に力を入れることで、若い人にも政治ってクリエイティブな側面もあって面白いな!と気がついて欲しいです。どうしても若い人の票が少ないとなれば、政治家たちは若者向けの政策を考えず、高齢者向けのものばかりになってしまいますから。




レールを外れたからこその成長があった。無難な生き方ではなく、“冒険”をしてほしい
最後に、今の若者へのメッセージをお願いします
縛られない生き方をして欲しいです。いつのまにか自分の中にできあがる固定観念を越えて、自分らしい生き方を自分なりにみつけてほしい。そうすれば、世の中がいろんな人材で溢れて、様々な問題が起きても解決できるようになります。私はたまたまレールを外れて生きてきたからこそ、色々な考え方をして、自分の可能性を知ることができたし、大きく成長ができました。だから、あえて無難な道ではなく、“冒険”を選んでいってほしいですね。



(執筆:相川 美菜子/撮影:小島眞司)

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