四ツ谷美季「憲法をもっと身近な存在に」

19歳・大学生
四ツ谷 美季




北海道出身、2013年中央大学総合政策学部入学。軟式野球サークルのマネージャーを務める傍ら、大手カフェでアルバイトをしている。趣味はダンスとスポーツ観戦。高校時代はチアリーディング部で全国大会に出場した経験を持つ。


Opinion#1 : 私の興味分野✕政治「国が主導で国際交流を活発に」
Opinion#2 : 若者の政治参加「関心がないというより、行動に移せていないだけ」


四ツ谷さんが伝えたい政治に関する意見は何ですか?
憲法改正の問題についてです。もっと前向きに議論をしなければいけないと考えています。
憲法問題に興味をもつきっかけは何だったのですか?
高校1・2年生のときに、札幌弁護士会主催の憲法を考える高校生講座に参加したことがきっかけです。社会科の先生に勧められて、法学に興味のある同級生と参加してみることにしました。高校生でグループを作り、弁護士の方を交えてケーススタディで議論を深めていくという内容です。1年生のときは憲法9条に関して、2年生のときは死刑制度に関して学びました。人の数だけ考え方があるのだと刺激を受けました。また、大学に進学後、1年生で「憲法と人権」という講義を履修し、さらに詳しく学んだことで、憲法問題に対する関心がより高まりました。
時代に合わせた憲法であるべき
どうして問題だと思いますか?
日本国憲法が制定されてから60年以上が過ぎています。制定当時の戦後の日本と、先進国の一員として最先端を走る現在の日本とでは、状況が激変しています。憲法自体で言えば、近年は環境やプライバシーなどの新しい人権が主張されていることもあり、考え直さなければならないのです。



特にどの部分に関心があるのですか?
憲法第9条の改正問題です。私は改正賛成派です。
他国と対等になる必要がある
第9条と言えば、平和主義や自衛隊問題ですよね。
はい。過激に聞こえるかもしれませんが、自衛隊をいつまでも軍隊として認めないのは先進国の一員の対応として間違っているのではないかと感じています。決して戦争をしようと言っているわけではありません。他国と対等にならなければいけないということです。防衛の建前と自衛隊の中身という矛盾を抱えているのは、逆に安全保障として危険が伴うのではないでしょうか。


しかし、平和主義は世界に誇れるものですよね?
もちろんです。平和主義は日本人に深く根付いた大切な考え方で、これからも後世へ 伝え続けていかなければなりません。第9条を改正したとしても、その理念は失われることはありません。反対派にとっては、戦争が繰り返されるという懸念が大きいようです。しかし、自衛隊を軍隊と位置づけたら戦争になるという考えは短絡過ぎると思います。


改正議論はなかなか前進していませんが、どうすればよいでしょうか?
賛成派も反対派も極端な主張をしているから、議論が前に進まないのだと思います。個々の意見が表面化せず、2つの大きな意見として集約されてしまっています。そうではなくて、どう賛成で、どう反対なのか、互いに聞く耳を持ってもらいたいです。反対意見を汲み取った賛成、賛成意見を汲み取った反対、そういう議論をしていきましょう。




今の若者は、政治に興味を持っていると思いますか?
実感としては思いません。私の周囲には、外国語や異文化に興味のある学生や何か活動に励む学生が多いという印象です。大学に入ると自分の興味関心のある分野に進むので、その中で政治に進む人は限られてくるのではないでしょうか。
政治に関して関心がない理由は何だと思いますか?
政治に対してあきらめているからではないでしょうか。政治は選挙でもない限り見えにくい部分が大半で、あまり開けた世界ではないですよね。そのため、政治はどこか遠くの世界という印象が強くあります。
また、ニュースなどで政治に関心を持っていても、周囲に意見や議論を発信しようとする人が少ないということも考えられます。
もちろん、若者には自分たちの今の政治参加が、20年後、30年後に自分に返ってくるということを強く意識しなければならないと思います。


現代の日本政治を、どのように感じていますか?
私たち国民のためというよりも、自分の利益のために政策を考えているような気がします。さらに、建設的な議論がなされていないという疑問も抱いています。例えば、法案の採決のとき、成立させないために委員会に議員が出席しないということです。確かに、欠席によって反対という意思を伝えているのかもしれませんが、どう反対なのかという中身が伝わらないのです。そういう様子を国会中継などで目にすると、あきれてしまいます。
今若者に必要な政策とは何だと思いますか?
政治教育の充実です。領土問題を例に挙げましょう。ある土地について、日本人は日本の領土だと訴えていて、相手国の人は自国の領土だと訴えています。平行線のまま、領土問題は変化を見せません。一体なぜなのか、もとをたどると、歴史的な問題が横たわっています。現在の歴史教育では、当たり前のようですが、自国が正しいと思っていることしか教えていません。結局は、テストに出るから、受験に必要だからという目的で勉強させられています。
私はもっと議論を重ねた上で相手国の立場にも立って考えられるような柔軟な教育が必要だと思います。クラス内で議論してみたり、相手国の同世代と話し合ってみたりする機会を設けることで、若い頃から政治問題に対する多面的な考えを養うことができるのではないでしょうか。



(執筆・撮影:小島眞司)

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